長野県建具協同組合様 展示即売会への出店

2024.03.08

建具材の展示即売会に出展してきました。

展示会の様子

 

建具業界の状況としては、ざっくりこのような感じ。

・障子、襖等の和室仕事の減少

・建具向けのアメリカ産の良材の供給不足と高騰

→特に一番の流通量を誇るスプルス材の高騰と品質の不安定さが課題

・在庫量を抑えて、乾いたもので欲しい

 

そのため、今回の展示会では国産材メイン+1山のボリュームを抑えて出品を試みました。

ラインナップは以下の通り。

 

・桧 2.0m上×36mm厚 2山

・桧 3.0m上×36mm厚 1山

・杉 4.0m上×36mm厚 2山(芯材向けと中程度の品質のもの)

・サワラ 4.0m上×45mm厚 1山

・米ツガ 4.0m×45mm厚 幅狭クリアー材 1山

・スプルス 4.0m上×35mm 1山

見えずらいですが、サワラ柾材。色・目 ◎

 

天気も悪く、雪も降ってきたため、昼過ぎで早めに終わりました。

完売とはなりませんでしたが、桧建具材を見てもらえたので、今後のお役に立てば幸いです。

 

次は15日(金)北信会場での開催に向けて、材料の段取りを進めます。

ナラ、Wオーク柾目材が間に合えば出品したいところ。

見えずらい 吉野桧36mm

【入荷情報】スプルス建具向けのご案内

2023.12.13

スプルス丸太 柾目挽(建具向け)

 

建具材というと、とりあえず米材 スプルスという流れがございます。

それは、値段・品質・流通量のどれを見ても優秀な素材だからです。

いうなれば、コスパめっちゃよい素材。

しかし、それも3年前から事情が大分変ってきました。

良材不足・値段の高騰・輸入量の減少と状況は悪くなる一方。

そのような状況ですが、モノが無いことには始まらないので、

今年何度も見送りながら、ようやく製材できたスプルスが入荷しました。

 

色白め、目相そこそこ

 

丸太の大きさは60cm程度なので、今までのスプルス丸太を考えれば大きさは小さめ。

色は白め、目は細-中程度、節は4分の1程度というところ。

その分、値段は相場よりお値打ちですが、それでも高くなったね・・・という感触。

 

同業の話を聞いていると、スプルスは中々な状況。この内容でホッと一安心。

来年はカナダの伐採リンクが30%縮小される発表が。

さらに、スプルスの良材は現地でオークションのような高騰具合。

楽器向けのバイヤーが取り合いをしているとのこと。

そうすると、流通に流れるものはより厳しい状況になるのが見えてきます。

 

外材市況は昨年→今年→来年と益々厳しい状況になりそうです。

桧・杉の建具向けを3年前から力を入れており、樹種替えの提案を積極的におこなっています。

建具材市況、今後の見通し、現在の在庫状況について気になる方は、お気軽にご連絡ください。

【入荷案内】桧 60mm厚 建具材

2023.10.20

昨今スプルス材の供給不足が続いており、代替品の提案を続けております。

という中で、今週スプルス丸太を久しぶりに製材しました。

その内容については、また改めて。

 

 

桧 建具柾 60mm厚

最近は、36mm辺りの並厚板の動きが鈍い代わりに、厚材の板の動きが活発のように感じます。

建具屋さんの話を聞くと、新築が建っても和室の無い家が多いため、作るものが減ってしまっているとのこと。

この辺の話は何年も前から根強く続いてしまっている問題です。

しかし、その代わりか店舗・施設な戸に使われる厚い建具に使う材料の注文がコンスタントに続きます。

 

そのため、スプルスの代わりとなる厚材もストックしなければなりません。

そこで提案しているのが桧 厚材です。

60mm厚×幅105-150mm×長2.0-2.2m(実寸65mmあるのが嬉しいところ)

 

今はどんな木材でも簡単にご案内できる時期ではありません。

去年まであったものが今年はでてこなず、今年あったものも来年安定して出てくる?という外材事情。

そのため、足を使って国内を歩き回っているので、今までのような外材頼りの在庫状況からは改善されています。

そこから今回のような桧 建具向 特厚柾材も提案できるようになりました。

数量が豊富にある訳ではないので、限られた提案量になりますが、今あるものを丁寧に取り扱っていきたいです。

 

色◎~○、目相◎~〇とMIXになります。極端に悪い物は外しています。

 

【在庫案内】建具 桧材について

2022.11.17

吉野産 桧 柾目 建具材 目細かい良材

建具職人が作る襖・障子・框戸といった建具。

その多くが国外の材木を使われています。

国外の木材の方が、建具に向いた大径木で良質なものが多いというのが業界認識。

さらにスプルス、イエローシダー、ピーラ(米松)、ウェストンレッドダー、ヘムなどといった豊富な種類。

国内で建具向けに取りやすいのは杉か桧か、という少ない選択。

杉はまだしも、桧はあまりに高価で、そもそも建具向けものなんて出てくるのか?という声も耳にします。

建築向けの需要はあっても建具向けの需要が建築向けに比べ低いため、

製材所が建具向けに製材をする機会が少ないのも原因かもしれません。

 

吉野産 桧 柾目 建具材 目細かい良材
桧 柾目 目細・ほぼ無地

 

その様な状況ではありますが、建具向けに使える桧は入荷をせっせとしてます。

スプルスほどの量はまだ入荷しませんが、コツコツ集めており、そこそこの在庫量に。(曖昧な表現)

木目が詰んでいるもので揃った山

樹齢250年の木曽天然桧 柾挽の山

目荒も含み多少節も入るが赤身が綺麗な山

目合・色は気にしないから節は少ないけどお値打ちの山 と様々。

 

桧 建具向 柾目材の小口面 目細具合の紹介
目細の揃った山。目通り◎。

 

150mm上が豊富にないのが欠点で、スプルスよりは歩留まりに難があるかもしれません。

しかし、框戸でなく障子・襖向けであれば十分に使っていけるものは揃っています。

(框幅を広くしなければ勿論、桧でも框戸に使えます)

桧を使い続けたい、使ってみたい、見てみたいと言った声に答えていきます。

建具屋さん、桧の建具に興味のある設計士さんでも、是非お気軽にお問合せください。

 

桧 建具向 柾材 幅狭いものも入ります。
幅狭いもの入る山

 

杉材も在庫にあるので、その紹介もまた後日。

 

お問い合わせ

【在庫品】長野県産カラ松(柾)ご案内

2022.08.15

↓以前、ご案内した長野県産 カラ松が乾燥したので連休前に再検品。

【在庫品】長野県産カラ松(柾挽) ご案内

 

 

検品中のカラ松(柾挽) 割と良材が多くて満足。

 

脱脂乾燥+天然乾燥による乾燥。

ネジレ・割れの発生をいかに抑えられるかが勝負所。

 

対策として

①風当たりが少ない場所での保管

②上に重しとなるものを置く

③小口の際に桟を入れる

等々、定説として言われてることを素直に順守。

 

捩れた板。捩れるものは捩れる。

 

検品結果は、割れはほぼ無し。

割れが少ないのも柾挽きだからか。それにしれも割れが無い。

非常に良い結果です。

 

捩れはあることはあるが、想定よりはかな話ではり少ない印象。

3本の原木のうち1本に捩れの出た板があるが、それも数枚程度。

 

 

目通良し。

以前、カラ松を使って苦戦した職人さんにモノを見せたところ、

「このくらいのカラ松が今でるんだね。これなら使える。」とのお言葉。

長野県産 カラ松材もようやく80年生のものが出てくるようになり、

芯を外しても150mm幅以上が多く取れる様になりました。

その結果、以前よりも歩留まりの向上しつつ、捩れと狂いの欠点も抑えられるのではないかと。

 

造作・建具向けの外材の入荷量は依然回復する様子もない状況。

国産材へ切り替えの検討の際には、カラ松を候補にしてはいかがでしょうか。

 

お問い合わせ

 

建具材の案内について

2022.08.02

遠方の方からの電話問合せが増えております。

建築材や建材であれば樹種とメーカーと単価をお伝えすればある程度話はできますが、

建具材となるとそうもいきません。

撮影準備中のスプルス

色・目相・サイズ・幅等々。職人さんによって好みがあります。

そのため、写真をお送りして説明しきれない部分のお手伝いをしてもらいます。

建具材 スプルスの小口面
枚数、板幅がどんなものか、大きくすれば目のツマリ具合も分かります

 

スプルスは価格高騰は勿論のこと、品質維持が難しい材料になりつつあります。

どの程度ならご納得いただけるか。その辺りのすり合わせ作業が今後、大事になってきます。

職人さんとのコミュニケーションを深めて、それぞれの適材適所。見つけていきます。

スプルス 建具材
後ろもお見せしてます

どんなものがあるの?と思ったから、お気軽にご連絡ください。

お問い合わせ

 

 

【入荷案内】天然木曽桧 柾目材

2022.06.29

天然木曽桧 柾目材(片耳付)37mm厚が入荷しました。

2.1m×37mm厚×80-150mm 1山。

ついについに入荷できました。。

桧の良材が多いことで有名な木曽産 桧。

さらに、「人工林」でなく「天然 木曽桧」。

天然桧は人工林と比べ1割出荷されるかどうかというほど、供給量が減っている素材です。

木曽天然桧 色良し 目相良し

 

250年育ってようやく40cm台の大きさなので、目細さは抜群です

国産桧でここまでの良材は初めて入荷しました。

流石は木曽の天然桧というところ。おみそれしました。

29枚の程よいボリューム感

長野県産として自信を持って送り出せる良材。

単価はかなりの高級仕様になりますが、その貴重性・品質を考えれば納得の価格。

是非、ここぞという現場を控えている方はご相談下さい。

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【入荷情報】バルサム(もみ)盤挽

2022.04.18

バルサム(もみ)盤の製材品が入荷しました。

柾挽120-160mm×37mm。

芯材用途からカマチ用途まで幅広く答えられる等級で用意しています。

 

バルサム(もみ)芯材向け品

 

昨今、ヘム(ツガ)の入荷が激減しています。

ヘムの在庫もまだありますが、バルサムほどの入荷はありません。

木材価格が上がる中で、まだ使いやすい値段なのがバルサム。

 

37mm厚に製材

この手の盤が入荷するのも、一旦ストップしそうです。

最低半年以降なのか?というところ。

まだまだ仕入れに試行錯誤が必要です。

 

昨今の木材市況、建具向けの材についてのご相談事ありましたら、以下のフォームからお問合せ下さい。

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【模索中】長野県産カラ松の活用について

2022.02.07

カラ松 原木 長野県

「長野県産カラ松」の活用に向けて今年から動きます。

 

 

長野県民有林に植えられている割合が5割を超える樹種。

それがカラ松。

 

はっきりとした動きのある木目に、茶褐色の素朴な雰囲気を持ち合わせ、他の針葉樹には出せない表情をしています。

強度も高いことも評価されており、経年によって濃い色へ変わる様子も楽しめます。

色合い、木目、強度、経年の楽しみ等々、そして長野県産という地物という良さから、

設計士や建具・家具職人の方で「カラ松を使いたい」という声はよく聞きます。

カラ松 壁材

長野県産カラ松 壁材

 

そう。よく聞くのです。良くは聞きます。しかし、あまり活用されていないのが事実。

カラ松のいい話はここまでにし、ここからは少し、カラ松の難しい面に向き合います。

 

 

①ネジレ、曲がりの多い木

カラ松は旋回しながら成長する木です。

そのため、板材や角材になってもネジレが発生しやすいという欠点を持っています。

それも昨今の乾燥技術の発展で、ネジレをある程度抑えることはできました。

しかし、細い部材にした場合は曲がったり、ネジレてしまうことが多々あります。

3年ほど前に弊社で建具用途のカラ松を納品した時もこういった問題は起きました。

昔カラ松を使った職人さんからは、カラ松を使うのは難しいと言われてしまうのも事実。

 

 

②ヤニ(油分)の多さ

カラ松はヤニを多く含む木です。

ヤニがあるからこそ、粘りもでて耐久性の高い性能がでると一般的に言われています。

しかし、内装に使う場合はそれが欠点となってしまいます。

板に触るとべたつく、ヤニがくっついて引き出しが開きづらくなるなどなど。

杉や桧にもヤニはありますが、カラ松は比にならないほどの量のヤニを持っています。

そのため、脱脂したものでないと内装向けには使いづらい欠点があります。

 

 

他にも節の多さ、目細の良材が少ないことなどの問題もあります。

 

全てが悪い訳ではなく、適材適所でうまく活用できる木です。

しかし、設計士や建具・家具職人の方の声に答えるにはこれらの問題を解消しなくてはなりません。

 

何よりも家具や建具などになったカラ松を見てみたいという私自身の思いもあります。

どうなるやら。どうにかします。