「長野県産カラ松」の活用に向けて今年から動きます。
長野県民有林に植えられている割合が5割を超える樹種。
それがカラ松。
はっきりとした動きのある木目に、茶褐色の素朴な雰囲気を持ち合わせ、他の針葉樹には出せない表情をしています。
強度も高いことも評価されており、経年によって濃い色へ変わる様子も楽しめます。
色合い、木目、強度、経年の楽しみ等々、そして長野県産という地物という良さから、
設計士や建具・家具職人の方で「カラ松を使いたい」という声はよく聞きます。
長野県産カラ松 壁材
そう。よく聞くのです。良くは聞きます。しかし、あまり活用されていないのが事実。
カラ松のいい話はここまでにし、ここからは少し、カラ松の難しい面に向き合います。
①ネジレ、曲がりの多い木
カラ松は旋回しながら成長する木です。
そのため、板材や角材になってもネジレが発生しやすいという欠点を持っています。
それも昨今の乾燥技術の発展で、ネジレをある程度抑えることはできました。
しかし、細い部材にした場合は曲がったり、ネジレてしまうことが多々あります。
3年ほど前に弊社で建具用途のカラ松を納品した時もこういった問題は起きました。
昔カラ松を使った職人さんからは、カラ松を使うのは難しいと言われてしまうのも事実。
②ヤニ(油分)の多さ
カラ松はヤニを多く含む木です。
ヤニがあるからこそ、粘りもでて耐久性の高い性能がでると一般的に言われています。
しかし、内装に使う場合はそれが欠点となってしまいます。
板に触るとべたつく、ヤニがくっついて引き出しが開きづらくなるなどなど。
杉や桧にもヤニはありますが、カラ松は比にならないほどの量のヤニを持っています。
そのため、脱脂したものでないと内装向けには使いづらい欠点があります。
他にも節の多さ、目細の良材が少ないことなどの問題もあります。
全てが悪い訳ではなく、適材適所でうまく活用できる木です。
しかし、設計士や建具・家具職人の方の声に答えるにはこれらの問題を解消しなくてはなりません。
何よりも家具や建具などになったカラ松を見てみたいという私自身の思いもあります。
どうなるやら。どうにかします。